事業の概要
〈目的〉
当地域ではITに関する教育機関が少なく、こうした人材同士が出会う機会が少ないため、当該人材同士の人脈を構築することで、本事業への参加後における当該人材のさらなる成長を促すとともに、当該人材の地域への定着、地域におけるIT分野の技術開発の促進なども同時に狙う事を目的とした。
人材の育成は、人材の発掘と可視化、マッチングとプロジェクト編成、プロジェクト活動などの事業を通して実施した。
本事業で育成する人材は、大きく「スキル型」と「アイデア型」の2つの類型に分類した。スキル型は、主にDX推進スキル標準(DSS-P)でいう「ソフトウェアエンジニア」に相当する役割を果たすための能力を育成するものであり、技術的に秀でた若者を対象とした。一方、アイデア型は、主に同標準の「ビジネスアーキテクト」に相当する役割を果たすための能力を育成するものであり、ビジネスの創造力が見込まれる若者を対象とした。もちろん、両方を兼ね備える人材がいれば、最も望ましい。
スキル型の人材のみならず、アイデア型の人材を同時に育成するのは、当地域においてIT関連産業が比較的少なく、スキル型のみの人材を育成しても、その後の当地域における活躍の場が限られると考えられるためである。
また、本事業で対象とする人材の範囲は、就学者(高校生から大学生)、既卒者(原則として30歳以下)で異なる対策を取った。
〈期待される成果〉
長野県東信地域を中心とした長野県内(以下、当地域)におけるITの教育機関は、入門的なレベルのみを扱うものや、狭い分野に専門特化したものが多く、自らの構想を社会で具現化するようなレベルでのIT教育が受けられる体制が脆弱である。
また、地域内にあるIT企業も、多くが他地域からの下請的な開発業務に従事するものが多く、技術者間やIT企業間の交流の動きも限定的である。
そのため、ITに興味を持ち、ITに関する職業を選びたいと考えている若手人材にとって、本気でITの能力を伸ばしたい場合には地域から出ていくか、オンライン教材など限られた教材でしか学ぶことができず、就業する機会や業務内容も限られていた。本事業では、ITに秀でた能力を持つ人材の育成とともに、地域に新しいIT事業を船出させ、IT事業を行う上で有利な地域づくりのための重要な機会となった。