2026年2月11日、なごのキャンパスにて「Co-Do:TECH DEMODAY」が開催されました。 ここに集まった8組のクリエイターが発表したのは、単なるアイデアのピッチではなく、半年間の仮説検証を通じて直面した「現場の課題」と、それを乗り越えるために再構築された実装可能な解決策です。
東海エリア発の起業家育成プログラム「Co-Do:TECH」。その最終成果発表会で見えた、検証と試行錯誤のプロセスをレポートします。
【Pivot】 現場の声を聞き、軌道修正する
当初の仮説に固執せず、ターゲットヒアリングを通じて事業の方向性を大きく転換したチームです。
Do Jo(道場)|中元 景介
当初はHR領域で「就職活動のための正しい日本語」を教えるサービスを構想していました。しかし企業へのヒアリングを行う中で、「求められているのは言語スキル以上に、愛嬌や関係構築力(ラポール)である」という事実に直面します。 そこでプロダクトを「日本のシニア×外国人学習者の会話アプリ」へと転換。孤独を感じるシニアと、日本語を話したい外国人をマッチングさせることで、双方の課題を解決するモデルを提示しました。
Play it Forward Baseball|海老 壱喜
野球人口の減少を食い止めるため、中古道具のリユースプロジェクトを開始。スポーツ用品店への回収ボックス設置などを通じて道具は集まりましたが、活動を通じて見えてきたのは、単に「道具が高い」こと以上に深刻な「ひとり親家庭等の貧困」という現実でした。 単なるモノの循環にとどまらず、行政や支援団体と連携し、経済的に困難な家庭でも野球を継続できる環境づくりへと活動の幅を広げています。
【Drive】 行動と熱量をシステム化する
個人の行動や感情をテクノロジーで仕組み化し、加速させるアプローチです。
CORE FANS|田口 朋暉
ライブと物販に依存するインディーズバンドの収益構造を変えるため、ファンがバンドの成長プロセスに参加するメンバーシップ制度を提案しました。 ファンが関与することで、単なる「応援」を「共創」へと昇華させます。将来的には音楽ライブに勝敗をつけるリーグ構想も掲げ、新たなエンタメモデルの構築を目指します。
Tomonae(トモナエ)|石口 龍宝
防災の最初のハードルを下げるため、自分と似た家族構成や住環境の人が何を備えているかを可視化するプラットフォームを開発しました。 災害時ではなく平時の行動変容にフォーカスし、他者の備えを参考にすることで、迷わず具体的な備蓄行動に移せる仕組みを構築しています。
Jobvit(ジョビット)|川井 裕心
就職活動における「大量応募・大量面接」の非効率を解消するマッチングプラットフォームです。 プロフィールを入力し、企業が設定した要件を満たせば「選考スキップ(書類免除など)」のオファーが届く仕組みを実装。すでに100社以上と提携を実現。
【Unlock】 既存の仕組みを「構造」から変える
業界の慣習や思い込みに対し、新しい切り口で解決策を提示したプロジェクトです。
School Fellowship|小田 祐路
「教員の多忙化」という課題に対し、民間企業の次世代リーダーを「学校経営補佐官」として学校へ派遣するモデルを提案しました。 特徴的なのは、学校側の費用負担をゼロにし、企業側が「人材育成研修費」としてコストを負担するビジネスモデルです。実際に中学校の体育祭運営に介入し、教員業務の切り出しと外部人材による代替が可能であることを実証しました。
思考誘発光空間ラボ(ThinkScape)|内藤 乃麻
カフェやワークスペース選びの基準を、従来の「Wi-Fi・電源の有無」から「知的生産性」へと変える試みです。 81名へのインタビューと351の思考事例を分析し、照明や空間の広さが「没入」「創造」「リラックス」に与える影響をスコア化。目的に合わせて脳のパフォーマンスを最大化できる場所を検索するシステムを開発しました。
検証から実装へ
今回のDEMODAYでは、机上の空論ではなく、実際に現場でターゲットの反応を確かめ、ビジネスモデルを磨き上げた成果が発表されました。 Co-Do:TECHから生まれたこれらのプロジェクトは、ここから本格的な社会実装のフェーズへと進んでいきます。