事業の概要
スタートアップエコシステムの構築のためには、起業環境・研究シーズの事業化・資金と人材の循環の3つが必要となるが、東北の現状は、起業数は他の地域と比較して多いものの、スタートアップに特有の課題について精通している人材が不足しているためステージアップがスムーズに行われていないことが課題である。これを受け私たちは、会津地域でスタートアップエコシステムの構築を目指し、学生たちの起業を支援する活動を行ってきた。その中で、会津地域でのスタートアップを目指す学生や教員が、起業における成長の段階に合わせ、また直面する課題に応じて、必要なリソースにアクセスできる環境を地方においても得られることが必要だと感じていた。
そこで、本事業では、起業や事業ステージに合わせた適切なタイミングで適切な人材との出会いをあらかじめ用意するとともに、そこでの出会いをもとに本事業終了後にも活きるExit経験のある人材との出会いや起業家やスタートアップ企業とのマッチングの機会を、人材の少ない東北において実現することとする。
また事業においては、東北地域の中で起業家マインドを持った人材の発掘に留まらず、潜在的に起業家マインドを持っている人材の発掘と、今まで東北地域において出会うことの少なかったデザイン担当者とデジタル人材のマッチング、そして外部専門人材によるメンタリングを通じた事業の成長を見込んでいる。
加えて、域外より招集する予定のメンターに対しては、本事業終了後に会津大学や会津地域、秋田地域において継続した役割を持っていただき、継続的な取り組みや支援を想定し、結果として、身近にいなかった専門人材を会津地域、秋田地域に定着していただくことにつながり、専門人材の不足を解消することで、地域でのスタートアップエコシステムの形成が期待できる。
なお、本事業を通じて、形成されたスタートアップエコシステムを東北地域のロールモデルとして確立し、東北地域での活用はもちろん、他地域での利活用にも貢献できると見込んでいる。