事業の概要
■北陸の地域性に根ざした「ものづくり」を軸とするIT人材の発掘と育成
北陸地区は、歴史的経緯から伝統工芸が盛んであり、小学校に図工の専任教員が配置されるなど「ものづくり」の文化が地域に根付いている一方で、金沢21世紀美術館のように旧来の枠では捉えられないものが受容されているように「古い伝統を守る」にとどまらない高い創造性をともなう「ものづくり」が根付いており、現にNT金沢等の若い世代の草の根「ものづくり」活動が活発である。
このような歴史的・地域的背景をふまえ、本事業では、これまでにこれらの活動を中心的に行っている、寺本大輝氏(ハックフォープレイ(株))、秋田純一氏(金沢大学)、越野亮氏(石川高専)(いずれも未踏事業の経験者)をPMとし、北陸地区(石川・福井・富山)に潜在的に存在している、主に大学生から30歳前後の社会人に対して、特にハードウエアという「ものづくり」を伴うITプロジェクトを重点的に育成を行う。育成対象は6組(各PMが2組)とし、期間は2023年8月から2024年3月の8ヶ月間とする。これまでに地域の高専や大学において未踏事業の説明会を実施しており、そこから過去に応募もあった。本事業においても、北陸地区の大学等で説明会などを実施し、潜在的な育成者を発掘する。
前述の北陸地区での活動を鑑みるに、イノベーションに必須な多様性は十分に担保され、将来的なイノベーション人材となることが期待される。
事業期間中は、1ヶ月に1回程度の定期的なミートアップを、石川・福井・富山の各地区で順に実施し、各プロジェクトの進捗報告や人材交流を、育成対象者以外の多様な技術者・経営者などを交えて行うことで、プロジェクトのブラッシュアップと、将来的な事業化に向けた人的ネットワークの構築を行う。
事業期間中に、ミートアップを通して協賛企業や投資家の発掘もあわせて行い、育成される人材の社会への出口のサポートを得るとともに、本事業の継続に向けた継続的な支援を得る。またそこでの人的ネットワークを通して、助成金への応募や投資家への説明の経験も積むことで、将来的には育成者が自身で開発活動資金を獲得できるようにする。これにより、本事業の将来的な継続性を担保する。また海外での技術・ビジネス展示会等での成果アピールを強く推奨することで、事業化への意識を高める。